銀行強盗?

2001/10/09
 これは私が体験した話です。
 私が某信用金庫に勤めていた頃、場所はちょうど商店街のところに支店があったのですが、入り口は正面が自動ドアで横からはドアで入る入り口がありました。他にも後ろから入る職員用の入り口があるのですが、そこはオートロックでカードとパスワードを入力しなければならないので、部外者が入ることはなかったのですが。
 ある日、いつものように仕事をしていたときのことです。ばたっと大きな音がしたかと思うと横のドアからばたばた4人ほど、いかつい顔をした男の人が入ってきました。私たちがびっくりしていると、「犯人は?」と聞くではありませんか。
 「!」なんのことだろうと皆がきょとんとしていると、「セ○ムから連絡があった。防犯ベルが作動したと」とのこと。
 周りを見渡しても客は二人しかおらず、何事かと私たちがびっくりしていたとき、あっと思い「○○銀行と間違ったんじゃないんですか?」と私が言うと、ばたばたと私服の刑事たちが外に飛び出していきました。すぐ、「ウ〜ウ〜」とけたたましくサイレンを鳴らしながら同じアーケード街の中にあった某銀行まで行ってしまいました。結局それは誤報だったのです。
 次の日、本当のことがわかりました。私たちの机の横に引出しがあるのですが、そこの角のところに防犯ベルがついているんですね。座って右手を机の下にすべりこませるとちょうど届く位置にあるわけです。警備会社に直結して連絡が行き、もしもの時には警察に連絡が行くようになっていました。ですから、防犯ベルに誤って押すことのないように右側には特に注意していました。
 ところが、融資の担当である○○代理が間違って、というより気づかないうちに押してしまってたらしいのです。どこのスイッチが押されたか分かるので、それで判明しましたが。その上司は厳重に注意されたそうです。私は予行練習で勉強になったじゃないか。だから、警察も練習でよかったじゃないか。と思った。
 あっ、そういえば警察が来る前、「出水警察署ですが、何か変わったことはなかったですか?」と、電話が来てたんだけど「いいえ、別に変わったことはないですよ。」と私が答えて、上司である次長に「へんなこと聞くんですよ」と話をしてたんです。それがこの私服刑事突入の前触れだったのです。あちら系の方かと思わせるくらい坊主あたまにぜったい視線をそらせない目。耳にはイヤホンをし、本部の支持が聞こえてくるんじゃないかなと思った。
 とにかく誤報でよかったよかった。
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